TRONで動いていた携帯電話
NTTドコモの「iモード」端末、KDDIのCDMA(Code Division Multiple Access、同じ周波数帯を複数のユーザーが同時に利用できる無線通信技術)端末など、多数の機種がTRONベースで動いていました。
つまり、日本人は知らないうちに、日常生活の中でTRONに触れ続けていたのです。
この歴史の長さは単なるノスタルジーではなく、リアルタイム制御に対する深い経験値を意味します。
フィジカルAIの時代には、安全性と精密性が極めて重視されます。
ロボットのアームが数十ミリ誤動作すれば事故につながり、制御の遅延は致命的です。
だからこそTRONのようなリアルタイムOSの価値が再評価されつつあります。
米国のAI企業が提供する知能と、日本製OSの安定性を組み合わせたとき、世界は新しいロボット標準を見るかもしれません。
これは日本の制御技術にしか担えない役割です。
次に、日本の誇るもう一つの資産、「Ruby」について触れたいと思います。