芸能人に対して特に苛酷な目を向けてきた韓国社会の中で、突然、著名人たちが続々とチョ・ジヌンの肩を持つ理由は彼の最近の活動履歴にあると見られている。

「反日俳優」として活躍、左派系の人々から受けた喝采

「反日狂風」が吹き荒れた文在寅政権時代、チョ・ジヌン側は「親会社が日本企業なので数億ウォン台の広告提案を断った」と公言し、「反日俳優」として喝采を浴びた。21年には、文在寅政権の会心の反日セレモニーである、独立運動家の洪範道(ホン・ボムド)将軍の遺骨送還式には、国民代表特使としてロシアまで同行し、洪範道記念事業会の広報大使としても活動した。

 この功労で李在明と民主党の政権が発足した今年8月25日には「光復節」80周年記念式で国民代表として「国旗に対する誓い」を朗読した。翌日の8月16日は、自身がナレーションを担当した独立運動家のドキュメンタリー映画『終わらない戦争』を、李大統領夫妻と並んで座って鑑賞した。

 このように、進歩陣営の代表的な俳優として旺盛な活動をしてきた彼なので、進歩陣営ではディスパッチのスクープが「何者かによる工作」だと見て、対抗しているのだ。進歩陣営の世論を主導する政治系YouTuberのキム・オジュン氏も「チョ・ジヌンが文在寅政権時代にしてきた色々な活動のせいで誰かに工作されたと疑われる」と主張し、民主党支持者の間では「守旧親日勢力の工作」という主張も出てきている。

 一方、ディスパッチは続報で、チョ・ジヌンは俳優になった後も、周囲の人々に数回にわたって暴行を振るったと伝えている。

 俳優Aはカラオケでチョに暴力を受けたという。きっかけはチョが歌ってみろという歌をAが「よく知らない」と言ったことだった。俳優のBとC、マネージャーのDとEも「酒席で頬を殴られ蹴られた」と証言し、マネージャーFは「過去も問題だが現在も問題だから問題です」と嘲笑混じりの反応を見せたという。