韓国政府、世界4大軍需輸出国を目指す
ポーランドとの契約総額は少なくとも160億ドル規模(戦車K2、自走砲K9、戦闘攻撃機FA-50、多連装ロケットK239)とされ、今年もK2戦車180両の追加契約が結ばれるなど、韓国史上最大級の兵器輸出となっている。
文在寅、尹錫悦政権が国策としての輸出を推進。防衛事業庁の支援で大統領自ら兵器輸出の“営業外交”に乗り出した。
韓国企業はNATO弾薬との互換性を持つ兵器を量産できる。納期も半年〜1年と早く、価格競争力も高い。K9自走砲は世界の自走砲輸出の約半数を占めるまでになった。
ウクライナ戦争で欧州の弾薬・装甲車需要が急増したのに合わせて韓国は27年に米仏露中の世界4大軍需輸出国の一角に食い込むことを目指す。ハンファでは輸出売上が国内売上を初めて上回った。陸軍のK2、K9系列、海軍の新造艦など国内調達も増加している。
ハンファはK9、K239に加え120ミリメートル自走迫撃砲、潜水艦、軍用レーダー、指揮統制システム、宇宙・ロケットエンジン。精密誘導兵器メーカーのLIGネクスワンは各種ミサイル、軍用レーダー、海軍用ソナー・魚雷、無人機・誘導兵器、指揮統制システム。
10月30日、韓国・巨済島にあるハンファオーシャンの造船所を訪れ、同社潜水艦を視察したカナダのデビッド・マクギンティ国防相(後列左から右)、金民錫(キム・ミンソク)韓国首相、カナダのマーク・カーニー首相、ハンファ・グループのキム・ドングワン副会長。カナダは潜水艦の建造・メンテナンス事業の発注を控えており、韓国のハンファオーシャンや現代重工業が有力候補になっている(Adrian Wyld/Canadian Press via ZUMA Press/共同通信イメージズ)