政治家の発言は割り引いて聞く必要がある

 2025年の衆院選で自民党は歴史的大敗を喫した。そのことがきっかけとなって公明党が26年間続いた連立から離脱、代わって日本維新の会が「連立」政権に参画した格好だが、維新は「身を切る改革」を党是として掲げてきた。

 過去には大阪府議会では議席を109から79まで約3割削減した実績を持つだけに、その看板政策を国政でも実現しようとする姿勢を強調し続けている。

 だが国際比較でも、衆院定数は人口100万人当たりでOECD加盟38カ国中36番目という低水準にあると報じられており、そもそも「議員が多すぎる」という維新の主張自体への疑問も呈されているのが現状だ。

意外に少ない?日本の議員定数 人口当たりではOECD加盟国中「下から3番目」  

民主主義への"宣戦布告" 定数削減 自維が合意  

 これらを総合すると、「嘘つき」というのはむろん耳目を引くためにやや強調した物言いなのだが、いずれにしても政治家の発言とはかくも不安定なものであり、だからこそ、政治家の発言はいつも割り引いて聞く必要があるというのが筆者の認識だ。

 その意味では、過度に私的な付き合いをしないというのも、生々しい現実政治を俎上に載せ、切った張ったの政治評論という仕事をするうえで重要かもしれない。