海外マネーが日本に流入、インデックスvsアクティブ

中野:日本株の上昇には外国人マネーの流入も背景にあります。トランプ政権の誕生以降、米国一強体制に陰りが見え、資金がまずヨーロッパへ向かい、次に日本へ流れてきたという見方もあります。

 予想PER(株価収益率)で見ても、米国は30倍近いですが、日本は20倍未満でその差は明らかです。世界の株式市場のインデックスに連動する人気の投資信託「オルカン」を構成しているのは約7割が米国株ですので、来年は一時的な逆風もあり得ると思います。

篠田:インデックスは時価総額加重平均で構成されるため、いまの市場の勢力図をそのまま反映しています。バリュエーションに着目するなら、インデックスに含まれていない銘柄や地域に投資するなど、自分なりのアレンジを加えるのも一つの方法です。

中野:インデックスは「今」を映す物差しで、未来を表現しているものではありません。AIブームの行方や世界経済の今後を先読みして投資するアクティブ運用と組み合わせるセンスが求められますね。

篠田:実際にはアクティブマネージャーでさえ、ベンチマークを意識してインデックスを牽引する銘柄に投資せざるを得ないケースもあります。その点、個人投資家は最も自由です。好きな地域、セクター、銘柄に自由に投資できます。感性で未来を見通して投資できるのは個人の強みです。自身の専門分野にヒントがある場合もありますし、自由な発想が新たな投資機会に結びつくこともあるでしょう。

中野:長期での資産形成には適切な分散が必要ですが、長期で株を保有するのであれば個人の思いや応援の気持ちを加えることは大切ですね。