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「令和のブラックマンデー」とも呼ばれた日本株の暴落から1年。トランプ政権が再び誕生し、米国の金融政策に対する不確実性が高まっています。基軸通貨ドルを中心とした世界のマネーは今後、どのように動くのか。「ドル円」の行方などについて、なかのアセットマネジメントの中野晴啓社長が、ソニーフィナンシャルグループ 執行役員・チーフアナリストの尾河眞樹氏に聞きました。2回に分けてお届けします。​

※対談の詳細はJBpressの公式YouTubeチャンネル「INNOCHAN」でご覧いただけます。収録日:2025年8月5日

前編:トランプ関税、インフレ…どうなる米国経済?利下げ間近、ジャクソンホールが焦点に

ドル円は145円近辺で推移、2年後に160円も?

中野晴啓・なかのアセットマネジメント社長(以下:敬称略):日本株の相場を大きく左右するのが為替です。今後のドル円の水準はどのように予測していますか。

尾河眞樹・ソニーフィナンシャルグループ執行役員・チーフアナリスト(以下:敬称略):短期的には米国の利下げ観測が強まっており、ドル安が進行する見込みです。ただ、日銀が比較的「ハト派(金融緩和を支持する傾向)」なスタンスを維持しているため、大幅な円高にはなりにくいと見ています。

中野:1ドル=145円付近のボックス圏(一定の価格帯でのもみ合い)で推移するというイメージですか?

尾河:そうですね。前提となる米国の政策金利については、2025年末に向けて利下げが進むと見られていますが(前編をご覧ください)、それにより来年にかけては景気が少し回復する期待が出てくるでしょう。一方で、米国は財政を緩めている状況なので、長期金利は望ましくない高止まりが続く可能性があるでしょう、2026年に米景気が回復するようであれば、2027年にはFRBは再び利上げに転ずると予想しています。

 そうなると、2027年〜28年にかけて1ドル=160円という方向になると思いますが、まずは2024年末時点では148〜150円程度と見ています。