「おとり捜査」で逮捕されるフィリピン人母親

 DN紙の別の記事では、子どもの性の「売り手」である親のマリアを取り押さえる様子も描かれている。

 フィリピン北部の小さな村、コンセプシオンにあるマリアの自宅。彼女は電話で、“ショー”の予約をしたアメリカ人のマイクと話している。これはいわゆる「おとり捜査」だ。米国の捜査官マイクは小児性愛者のふりをして何年もこのような潜入捜査をしてきた。

 マリアはカメラを自分の顔に向け、マイクに顔が見えるようにするが、マイクは決して自分の顔を映さない。

「みんないますか?」とマイクが尋ねると、「はい、全員います」と答えるマリア。

マリア「今からショーを始めますか?」
マイク「全員集まりますか?」
マリア「はい。どうするんですか?」
マイク「全部です。胸も、アソコも」

 マリアはそれがおとり捜査だとは知らない。

マイク「そこは安全ですか? ほかに誰もいませんか?」
マリア「ええ。ほかに誰もいません」
マイク「部屋の反対側を見せてもらえますか?」
マリア「空っぽです。誰もいません。」
マイク「もう少し、あなたの周りを見せてもらえますか? 監視されていないことを確認したいんです」

 マイクはそう言い、マリアに部屋の隅々や庭にまでカメラを向けさせ、周囲を確認する。