ブルーゾーンの入口を封鎖するアマゾンの先住民ムンドゥルク族(筆者撮影)
「ムンドゥルク族の領域は聖域だ。侵略はもうたくさん」
[ブラジル北部パラー州ベレン発]国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30) 5日目の11月14日朝、正式な交渉が行われるブルーゾーンの入口がアマゾンの先住民ムンドゥルク族約50人によって封鎖された。
弓矢を持ち、伝統的な装いのムンドゥルク族は正面ゲート周辺を封鎖し、ゲートの内側から機動隊、兵士、装甲車が警備する異様なムードになった。ムンドゥルク族の抗議者は赤ちゃんを抱いて歌い、スローガンを叫びながら座り込んだ。
警戒に当たるブラジル連邦警察の特殊部隊(筆者撮影)
プラカードには「ムンドゥルク族の領域は聖域だ。侵略はもうたくさん」「略奪的観光にノー」と書かれている。赤ちゃんは「子孫の命と未来のための闘い」であることを表しており、弓矢は文化と主権の象徴として掲げられた。
「略奪的観光」とは、先住民の土地・文化・自然を観光客のために見世物化・商業化するだけで、先住民領域に汚染・騒音・土地利用という負の変化をもたらし、収益は外部の企業や投資家に吸い上げられていく略奪的な構図を指す。