ベレンで開かれるCOP30(筆者撮影)
警備に軍を動員しないと国際会議を開けない
[ブラジル北部パラー州ベレン発]アマゾンの集散地として栄えるパラー州の州都ベレンで国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)が11月10~21日に開かれる。現地入りして気になったのは警備に軍を動員しないと国際会議を開けない治安の悪さだ。
COP30の警備に当たる州軍の軍人(筆者撮影)
近年COPは富裕層や企業ロビー活動家がプライベートジェットで駆けつけるようになり、宿泊費も暴騰。会期中ベレンのまともなホテルは1泊500ポンド。1500ポンドする高級ホテルもある。筆者の予算で泊まれるエアビーアンドビーは1泊82.52ポンド。(1ポンド=201.9円)
「二重構造の都市」として知られるベレンは中心部のハイストリート(富裕・商業地区)と周縁のスラム街の分断は明白。ナザレ地区はショッピングモール、高級コンドミニアム、官公庁が集中し、1キロメートル単位で所得が10倍違うという統計さえある。
テッラ・フィルメの住民は鉄格子の中で暮らしている(同)
筆者が泊まるテッラ・フィルメは犯罪組織「コマンド・ヴェルメーリョ(CV)」が支配するスラム街。ホストは感じのいい女性だが、玄関、窓に鉄格子がはめられ、南京錠を外して出入りする。大阪市西成区あいりん地区で生まれ育ち、治安の悪い地域での取材経験も少なくない筆者だが、ここではさすがに身がすくんだ。
