「第三極」の旗を降ろす維新の運命は?
与党入りで「第三極」の旗を降ろすことになる維新は、これからどんな運命をたどるのか。これまで自民党と連立を組んだ政党は、新自由クラブ、さきがけ、日本社会党、自由党、保守党と、公明党。実は、ここに挙げた政党は、公明党以外すべて消滅している。
吉村代表は自ら、「自分たちの政策が実現すれば維新は消滅しても良い」と言っている。これはタレントから政治家となり、維新を創設した橋下徹氏の発想に通ずる。
橋下氏と石原慎太郎氏が2トップで維新を作った頃、石原さんがしみじみと語っていたことを思い出す。私が代表だったみんなの党も「合流しないか」と誘われた時だった。
「喜美君な、橋下君は俺たちと全く違うんだよ。一生かけて政治をやろうと考えていないんだ」
吉村氏は維新の会ができる前の2010年、みんなの党の公募に応じてきたことがあった。代表面接で私が受けた印象は今同様「熱量あふれる」改革志向の若者だった。もちろん合格。しかしその年、維新ができて吉村氏は維新に合流する。自然な流れだった。
その吉村氏が、今の知事任期が終わるころには政界を引退するという、橋下氏の“暴露”もあった。吉村氏は「コメンテーターとしての意見だと思っています」と濁したが、そういうキャリアパスがあっても良い。
確かに民間人になれば能力も稼ぐ力もある人が「身を切る改革」を言い続け、少ない報酬に甘んじているのはシンドイだろうと思う。