自民党・高市早苗総裁(写真:共同通信社)
公明党が連立政権から離脱して1週間、国会での首班指名を前にして、政党間で様々な駆け引きが行われている。自民党の高市早苗総裁が内閣総理大臣に指名されるとは限らないが、野党が大同団結して政権交代を実現するのも容易ではない。連立政権交渉で考えておくべき点を整理する。
選挙協力
連立政権交渉を考えるとき、選挙区制度の持つ意味は大きい。まさに、小選挙区制が大きな障害である。
選挙区では1人しか当選できないので、連立政権を組む政党のうち、いずれかひとつの党の候補者しか立候補できない。
自公政権の場合、ほとんどの選挙区で自民党候補が立候補するが、2024年の衆議院選挙の場合、北海道10区、埼玉14区、東京29区、愛知16区、大阪3区、大阪5区、大阪6区、大阪16区、兵庫2区、兵庫8区、広島3区の11区で公明党候補が立候補した。
結果は、東京29区、兵庫2区、兵庫8区、広島3区で当選、しかし他の7選挙区では落選である。大阪は立候補した4つの選挙区全てで敗退した。
これまで、公明党は全員当選が普通であったが、この大惨敗が公明党の連立離脱のひとつの原因である。公明党候補に自民党支持者が投票しても、当選しなかったのである。あるいは、自民党支持者が、参政党などの公明党候補以外に投票したかもしれない。
公明党に言わせれば、裏金問題を起こした自民党との仲間だということで、公明党まで批判されて、票を失ったという。
公明党は、小選挙区で自民党候補を支援する見返りに、比例区では公明党に投票するように自民党に要請し、その求めに応じる自民党候補もいた。
