2025年10月13日、第37回出雲全日本大学選抜駅伝競走、2区を走る早稲田大・山口智規 写真/SportsPressJP/アフロ
(スポーツライター:酒井 政人)
早大が三大駅伝で約8年ぶりのトップスリー
出雲駅伝で早大が2位に入り、学生三大駅伝では2018年の箱根以来、約8年ぶりの“トップスリー”に返り咲いた。
レース前日のプレスインタビューで、「これまで戦力的に『優勝』という目標を掲げることはできませんでしたが、今季は選手たちが力を出せば、優勝争いに絡める。鈴木を3区に置けば、トップに立てるかなと思って配置しました」と自信を口にしていた花田勝彦駅伝監督。就任3年目となる指揮官の思惑に近いかたちでレースが展開された。
1区の吉倉ナブヤ直希(2年)が10位で発進すると、2区の山口智規(4年)が快走する。スピードが武器の絶対エースが23秒差を逆転。トップで3区の鈴木琉胤(1年)に臙脂のタスキを託したのだ。
鈴木は駒大・桑田駿介(2年)を引き連れて首位をひた走る。終盤に城西大と國學院大にかわされたが、トップと8秒差で中継した。4区の佐々木哲(1年)は城西大を抜いて2位に浮上。5区の堀野正太(1年)は順位をひとつ落とすも、区間7位でまとめる。
最終6区は「山の名探偵」が43秒差の大逆転を目指して突っ込んだ。工藤慎作(3年)は6kmで國學院大の背中に20秒ほどの差まで近づいたが、終盤は逆に引き離される。それでもアイビーリーグ選抜を抜いて、2位でゴールに飛び込んだ。