日程を間延びさせない「ダブルヘッダー」

 メジャーのPSはア・リーグとナ・リーグの各3地区の優勝チームと、各リーグから勝率上位3チームの計12チームで争う。ワイルドカードシリーズを戦う8チームと、それ以外の4チームで日程間隔に若干の差はあるものの、日本のようにリーグ優勝したチームがファイナルステージで待ち受ける方式ではなく、どのチームもレギュラーシーズンから途切れることなく戦いが続く。

 熾烈なPS争いを勝ち上がるワールドシリーズまでの戦いは、レギュラーシーズンとは違う重みがあるのも納得だ。

 今季のセを圧倒的な強さで制した阪神の藤川球児監督は、CS不要論やアドバンテージ改革案(現状では1位チームに1勝)に対して、「ファンが熱くなれるものをなくしてどうするんですか」などと一蹴。レギュラーシーズンとは異なる「別のステージ」と位置付けた戦いの意義を強調するが、せめて“間延び感”は解消できないものか。

 鍵を握るのは、同じ日に2試合を行うダブルヘッダーの復活だ。

 日本よりも試合数の多いメジャーが、レギュラーシーズンの全日程を一斉に終わらせ、すぐにPSに突入できるのは、雨天中止などの試合をなるべく未消化で持ち越さないようにダブルヘッダーで対応しているからだ。

 これに対し、プロ野球のダブルヘッダーは、1998年10月を最後に実施されていない。

 スポーツニッポンの2022年8月15日付記事では、日本野球機構(NPB)関係者の話として、球団、選手会の双方から「選手のコンディションや負担軽減」を考慮する要望があったほか、かつてのダブルヘッダーはほとんどが1日で2試合とも観戦できる「通し券」だったために、営業面でも入場料収入への影響があったという。

 また、球場周辺での待機スペースの問題からも、観客の入れ替えが困難だったという理由が紹介されている。

 しかし、時代は大きく変わった。観客動員数が右肩上がりのプロ野球では、特に週末は多くの球場が大盛況で、1日2試合で観客を入れ替え、それぞれのチケットを販売したとしても、十分にニーズはありそうだ。