このままではメジャーにファンを奪われる
現場からも声が上がっている。デイリースポーツの10月7日配信記事によれば、CSファーストステージに進出した巨人の阿部慎之助監督は「メジャーは中1日でやっている。試合数は向こうのほうが多いのに、ポストシーズンがすぐ始まって盛り上がりが続く。日本のプロ野球も見習ってほしいなと思いますね。一回、ちょっと盛り下がっちゃう。将来的に良くなってくれればうれしいな」と日程の再考を訴えている。
メジャーでは、ドジャースがCSファイナルステージより1日早く、日本時間10月14日からリーグ優勝決定シリーズを迎えた。大谷翔平選手と山本由伸投手に、佐々木投手も加わったドジャースが同25日開幕のワールドシリーズに勝ち進めば、日本シリーズ(25日開幕)と日程が重なる。
試合数が少ない日本のプロ野球がレギュラーシーズンを一斉終了できるようにして、PSの日程を前倒しすれば、ワールドシリーズと日程をずらすことも可能ではないか。メジャーを意識する必要はない、との反論もあるだろう。だが、ドジャースがワールドシリーズを制した昨季は話題をすっかりさらわれたことを念頭に置く必要もある。
レギュラーシーズンの日程消化をどうするか。突っ込んだ議論はあっていい。
田中 充(たなか・みつる) 尚美学園大学スポーツマネジメント学部准教授
1978年京都府生まれ。早稲田大学大学院スポーツ科学研究科修士課程を修了。産経新聞社を経て現職。専門はスポーツメディア論。プロ野球や米大リーグ、フィギュアスケートなどを取材し、子どもたちのスポーツ環境に関する報道もライフワーク。著書に「羽生結弦の肖像」(山と渓谷社)、共著に「スポーツをしない子どもたち」(扶桑社新書)など。
