レギュラーシーズンの盛り上がりをいかに継続させるか
日本ハムの新本拠地・エスコンフィールドに代表されるように球場周辺でも野球以外で楽しめる空間が生まれている。観客の入れ替えのシミュレーションがうまくできれば、デーゲームのファンは試合後、ナイターのファンは試合前から球場周辺を訪れ、「滞在時間」を増やすことでビジネスチャンスも生まれそうだ。
選手の負担面に関しても、元プロ野球選手で監督経験もある野球評論家の権藤博氏が10月9日付の日本経済新聞のコラム「悠々球論」で、CSの“間延び”解消のためにダブルヘッダーの実施を肯定する立場から「選手は野球を仕事とするプロ。ダブルヘッダーなど、苦もないことだ」と書いている。
たしかに選手の負担面においては、メジャー志向の選手は海を渡れば、ダブルヘッダーが待っているわけで、日本の球団も近年は、選手の体をケアする体制なども手厚くなっている。
また、権藤氏は「各チーム、試合消化が横並びだから、順位もわかりやすい。タイトル争いもすぱっとけりがつき、首位打者が休むとか、変な操作をする余地がまずない」と別の観点からも利点を強調する。
スポニチがダブルヘッダーに関する記事を載せた22年は、新型コロナウイルスに感染する選手が続出したことで試合中止を余儀なくされる球団が出たり、天候不良で9月の試合が過密日程になったりしたため、ダブルヘッダーの実施が検討された時期だった。
こうした非常事態に限らず、ダブルヘッダーの活用などで、レギュラーシーズンからのファンの盛り上がり熱が冷めないためにも、レギュラーシーズンとCSとの間隔を詰め、日本シリーズへつなげていくための知恵を絞る意義はありそうだ。