セ・リーグの優勝を決めた阪神。15日にクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージが開幕する(写真:共同通信社)
(田中 充:尚美学園大学スポーツマネジメント学部准教授)
10月15日から、プロ野球のクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージが始まる。開幕までにセ・リーグ覇者の阪神は約2週間、パを制したソフトバンクも10日の実戦間隔が空き、“間延び”感は否めない。
この間に、メジャーリーグはレギュラーシーズンから間髪入れずにポストシーズン(PS)へ突入。ドジャースの佐々木朗希投手が地区シリーズでの救援などで復活を遂げ、日本メディアも大きく取り上げた。
今季のプロ野球は、阪神が2位に13差と圧倒的な強さで9月上旬に優勝を決めたことで「CS不要論」も取り沙汰されたが、日程の“間延び”は毎年のことである。解消にはレギュラーシーズンにダブルヘッダーを採用するなど、CSとの日程間隔を詰めるしかないのだが、はたして…。
阪神は2週間、ソフトバンクは10日以上試合していない
海の向こうのメジャーで、佐々木投手が大車輪の活躍を見せている。レギュラーシーズンでは5月に右肩負傷で離脱したものの、終盤に中継ぎで復帰すると、ポストシーズン(PS)では4試合でいまだに無失点だ。フィリーズとの地区シリーズ突破に王手を懸けて迎えた第4戦では8回からの3イニングをパーフェクト。チームのサヨナラ勝ちを呼び込み、10月11日付の日刊スポーツとスポーツニッポン(いずれも東京本社発行)が1面で取り上げた。
一方のプロ野球も、リーグ2位と3位によるCSファーストステージが同11日に開幕し、セ、パともに2位だったDeNAと日本ハムがそろって2連勝で勝ち上がった。DeNAの第2戦は初回5点ビハインドからの劇的な逆転だった。翌13日付のスポーツ紙は、ドジャースの試合がなく、鈴木誠也選手と今永昇太投手がいるカブスの地区シリーズ敗退が決まったこともあり、DeNAや日本ハムも大きな扱いとなった。
気になるのは、いまだにリーグ優勝した阪神とソフトバンクが実戦から遠ざかっていることだ。
プロ野球は全球団の最終戦が終わったのが10月5日で、CSファーストステージまで5日間も空いた。ファイナルステージ開幕は同15日で、ソフトバンクは最終戦から10日、同2日に最終戦を終えた阪神にいたっては、約2週間も待たされたことになる。阪神は9月7日に2リーグ制以降では史上最速となる優勝を決めており、リーグ優勝決定後からCSまでは5週間以上も空いた。
メジャーは日本時間9月29日に全球団がレギュラーシーズンの全日程を終え、中1日空けた同10月1日からPSに突入するのに対し、日本のレギュラーシーズンはそもそも終了時期が球団によってバラツキが大きい。シーズン終盤に雨天中止の試合を消化する予備日を確保した上でCS日程が組まれているからだ。