静岡県内で行われたホンダ新型「プレリュード」のメディア向け公道試乗会に参加した(写真:筆者撮影)
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24年ぶりに「プレリュード」が復活した。1978年発売の初代から数えて6代目となる。本格的スポーツモデル「シビックタイプR」の車体に、シビックのハイブリッドシステム「e:HEVシステム」を搭載させたホンダの意欲作だ。そんな新型プレリュードを静岡県内の高速道路、一般公道、そしてワインディングで走らせると、どんなふうに感じるのか。詳しくご紹介したい。

(桃田 健史:自動車ジャーナリスト)

 筆者はこれまで、新型プレリュードについて、プロトタイプの状態で3回接してきた。

 最初の出会いは、2023年のジャパンモビリティショー(以下、JMS)のホンダブースだ。いわゆる“空飛ぶクルマ”や、完全自動運転車といった次世代モビリティが出展されている中で、従来型の自動車の正常進化である新型プレリュードは、逆に目立つ存在だった。

 実車に初めて乗ったのは昨年後半、栃木県内のホンダ関連施設で開催された「Honda e:HEV Biz & Tech Meeting」だった。

 ホンダのハイブリッドシステム「e:HEV」(イー・エイチ・イー・ブイ)の歴史を学びながら、近い将来に量産する多様なハイブリッド技術について丸1日かけてじっくりと取材した。その中に、新型プレリュード・プロトタイプがあった。

ハイブリッドシステム「e:HEV」に関する技術展示(写真:筆者撮影)
新型プレリュードのエンジンルーム(写真:筆者撮影)

 試乗前のレクチャーは、新搭載するパワーユニット制御技術「Honda S+Shift」の説明が中心だった。

 高速周回路での心地良い加速感を実感し、また少し起伏があるS字コーナーを備えたショートコースでは、「SPORT」モードの自動変速を通して、ホンダのいう「五感を刺激」した。

 3度目は、今年2月、北海道旭川郊外にあるホンダの大型試験場「鷹栖プルービンググラウンド」のこと。次世代e:HEVプロトタイプとともに、プレリュードを雪上で走らせた。FF(前輪駆動車)ながら、クルマの前後バランスが良く安心して冬の走りを満喫できた。

 そして4度目となる今回、9月4日に発表し、9月5日には国内発売を開始した新型プレリュードの量産モデルを、リアルワールドで体験することになった。

 つまり、筆者は新型プレリュードに関する情報とそれを基にした体験の下地ができた状態で今回の試乗に挑んだわけだ。では、試乗の様子を見ていこう。