霧深い釧路周辺をスバル「レヴォーグ レイバック」で走った(写真:筆者撮影)
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 そうだ、スバルで北海道・釧路に行ってみよう——。「レヴォーグ レイバック」の新しいテレビCMでは、雄大な自然を感じる風景が印象的だ。それが、釧路の先にあるという。そこで今回は、まさにテレビCMと同じように釧路を訪れ、レヴォーグ レイバックに試乗してみた。

(桃田 健史:自動車ジャーナリスト)

テレビCMに登場した霧多布岬へ

 午前9時半過ぎ、たんちょう釧路空港に降り立った。東京や大阪では連日気温30度超えが続く中、釧路の気温は22度で少しひんやりするくらいで過ごしやすい。

 筆者は、北海道に定期的を訪れており、ここ数年の間にも札幌、旭川、函館、帯広、網走、北見などを起点に、様々な季節にクルマで各所を巡っている。ただ釧路については、通過したことがある程度で、周辺の情報にあまり詳しくない。

 そこで、まずはレヴォーグ レイバック車内でひとり旅のプランを練る。

 まずは、釧路市街地の有名グルメが気になる。例えば、レストラン泉屋総本店の「スパカツ」。熱々の鉄板の上でスパゲッティととんかつのコラボだ。東京の洋食屋より盛りが良くて価格もリーズナブルである。

 同じく、釧路のソウルフードである「ジョイパックチキン」も気になるが、ランチタイムにはまだ早いので今回はパス。それよりも先に、レヴォーグ レイバックのテレビCMに登場した霧多布(きりたっぷ)岬を目指すことにした。

レヴォーグとは似て非なる乗り心地

 ここで、レヴォーグ レイバックについて説明しておこう。その名の通り、レヴォーグの派生モデルで、大まかに言えば、レヴォーグの最低地上高を145mmから200mmに上げ、SUVライクな雰囲気に仕上げたのがレイバックだ。

晴れた日の琵琶瀬展望台にて(写真:SUBARU)

 ボディサイズは、全長4770mm×全幅1820mm×全高1570mm。レヴォーグを単純にリフトアップしたのではなく、「凛(りん)」としたボディデザインとサスペンションセッティングは、レイバック専用に開発。エンジンは1.8L直噴ターボで、最高出力177馬力、最大トルクは300Nmだ。

 筆者が初めてレヴォーグ レイバックを走らせたのは2023年8月末のこと。場所は、新潟県佐渡のワインディングロードで、クルマとしては量産車とほぼ同じプロトタイプだった(「『スバルらしさ』はEVで実現可能?水平対向エンジンとAWDの世界観はどうなる」)。

晴れた日のアゼチ岬にて(写真:SUBARU)

 その際の印象は、「レヴォーグとは似て非なるクルマ」というものだった。試乗前、スバルの真骨頂であるツーリングワゴンのSUV化と聞いても、正直なところピンとこなかったのだが、実際に走らせて驚いた。足(サスペンション)がとても良く動き、路面をなめるように走るからだ。

 その時点で、スバル車の中で操縦安定性が頭ひとつ抜けている、という印象だった。

 あれから2年が経ち、直近では新型「フォレスター」の走りが進化していることもあり、このタイミングで改めてレヴォーグ レイバックをじっくり乗れることがとても楽しみである。

 では、話を釧路に戻そう。