小泉農相が敢行した備蓄米放出の効果
<参院選の情勢>
都議選前の段階では、自民党は参院選で善戦するとの見方が広がっていた。NHK世論調査によれば、石破内閣の支持率は5月の33%から6月に39%へ上昇。各メディアの世論調査でも内閣支持率は持ち直し方向だった。小泉農相による備蓄米放出の効果が指摘されている。
一方、主要野党の支持率はどちらかといえば低下傾向であった。
昨年秋の衆院選後、高めの支持率を維持してきた国民民主党がこのところ失速。野党間では、立憲民主党と共産党が一人区における候補者調整を進めることで合意したが、日本維新の会が呼び掛けた予備選構想は事実上頓挫している。また、国民民主党などは積極的に候補者の擁立を進めており、野党分断となる選挙区が多いままだ。
都議選の結果等を踏まえると、与党は議席数を減らす可能性が高い。だが、野党が分断状態であるほか、繰り返しになるが、石破政権は勝敗ラインをもともと低めに設定している。現時点で「与党過半数」を維持できるか否か微妙な情勢で、与党の勝敗は不透明だ。
今後は、メディアによる情勢調査や議席数予想で「与党過半数」が維持されるか否かが焦点となる。
近年の国政選挙は、世論調査の難易度が上がっており、投開票当日の出口調査ですら当たらなくなっている。それゆえ、前回の衆院選では、主要メディアは出口調査による議席数予想をレンジで示すようになったほどだ。国政選挙結果が事前の期待形成と異なってサプライズにつながるケースが増えており、投開票後の大勢判明まで予断を許さない。
