参院選で政権交代は実現するか(写真:Nobuyuki_Yoshikawa/イメージマート)
現金給付案は約3.5兆円の歳出増、食料品の消費減税案は約4.8兆円の税収減、一律5%への消費減税は約15.3兆円の税収減をもたらす見込みだ。個人消費の押し上げ効果は、財政規模の大きい減税の方が大きくなろう。だが、当然といえば当然だが、減税の方が財政への悪影響も大きくなる。
(宮前 耕也:SMBC日興証券 日本担当シニアエコノミスト)
<勝敗ラインは与党改選50議席>
第27回参議院議員通常選挙が7月3日に公示された。7月20日に投開票を迎える。参院選は、定数248議席の半数124議席に、東京都選挙区の非改選の欠員補充1を合わせた計125議席で争われる。
参院において、与党である自民・公明両党の現有議席は140議席、議長分を含めて141議席あり、過半数を維持している。うち非改選は75議席で、今回66議席が改選を迎える。
石破首相や森山幹事長など政権幹部は、勝敗ラインを「与党改選過半数」ではなく、非改選議席も含めた「与党過半数」に位置づけている。仮に改選66議席のうち16議席を失って50議席となっても、非改選の75議席と合わせて、過半数である125議席をぎりぎり維持できる。すなわち、今回の改選では、与党が50議席を確保できれば、石破政権は勝利と位置付けるだろう。

東京都議選前の段階では、勝敗ラインが低いこともあり、与党は参院選で勝利するとの見方が有力だった。