街頭演説に耳を傾ける人たち=7月3日、東京・池袋(写真:共同通信社)
参議院選挙は、猛暑の中、各地で熱戦が繰り広げられている。自公が過半数を維持できるか否かが最大の注目点であるが、鶴保庸介参議院議員の「運良く能登で」という失言もあり、石破政権にとっては厳しい状況である。
様々な争点
選挙の争点は、内政から外交まで多岐にわたるが、最大の論争点は物価高対策である。コメやガソリンをはじめ、諸物価の高騰は、庶民の生活を直撃している。そして、賃金の伸びが物価上昇に追いついていない。
しかも、トランプ大統領は、7月7日、9日に迫っていた相互関税の一時停止期限を8月1日延長すること、そして、日本への関税率は25%であることを公表した。これがそのまま適用されれば、日本のGDPを1%程度引き下げることになる。日本経済にとっては大打撃であり、倒産する企業や失業者が出るなど、多くの問題が発生する。
日米交渉担当の赤澤亮正経済再生担当大臣は、7回も訪米しておきながら、目立った成果をあげていない。トランプ政権は、日本の参議院選挙のことなどを配慮する気は毛頭無い。投票日の7月20日までに、対米交渉で何らかの打開策が見いだせるとはかぎらない。外交分野でも、石破内閣は有権者に評価されないであろう。
トランプのアメリカ第一主義を真似たような「日本人ファースト」をスローガンにする参政党の支持率が上がっている。世論調査によっては、自民党に次ぐ第2位となったものもある。この政党は、反LGBT、反ワクチン、反移民、反原発、反食品添加物を掲げる特異な性格を有している。右翼で、排外主義である。
参政党の伸張に危機感を持った自民党は、対抗するために、「違法外国人ゼロ」などを政策に加えている。同じ保守政党として、自民党の票がかなり参政党に奪われる可能性がある。
