エリート中のエリート選手

 長嶋茂雄は、1958年に巨人に入団してから、1974年に引退するまで一度も規定打席を外れることが無かった。17年連続で規定打席以上。

 王貞治でも入団1年目の1959年は規定打席未達だった。野村克也は1954年に入団したが、規定打席に初めて到達したのは56年だった。

 キャリアでの「規定打席コンプリート」は、極めて難しい。エリート選手として入団し、期待にたがわない成績を上げ続け、大きなケガ、故障もなく、力が衰えてからも一定のレベルで成績を残さなければならない。

 張本勲は1959年東映に入団した1年目から規定打席に到達し、巨人に移籍した1978年まで20年連続で規定打席に到達した。入団からの連続シーズン規定打席到達は、これが最長だが、翌79年に規定打席から外れた。

 コンプリート記録としては、1969年、広島に入団した山本浩二(浩司)が、1986年に引退するまで続けた18年、長嶋はこれに次ぐ2位。

 スーパーエリートとして入団し、引退するまで期待を裏切らなかった。まさにエリート中のエリート選手だと言えよう。