屈指の右打者

 野球の世界では「左打者」が有利だとされる。

 NPBでは通算打率(.320レロン・リー)、本塁打(868王貞治)、打点(2170王貞治)、安打数(3085張本勲)など、主要な打撃記録は、ほぼすべて左打者が記録している。

 右打者だけの記録に絞るとこうなる。

・通算安打
1、野村克也2901 2、長嶋茂雄2471 3、坂本勇人2421

・通算本塁打
1、野村克也657 2、山本浩二536 3、落合博満510 4、田淵幸一474 5、長嶋茂雄444

・通算打点
1、野村克也1988 2、落合博満1564 3、長嶋茂雄1522

・通算打率(4000打通以上)
1、ブーマー.317 2、落合博満.311 3、レオン.308 4、中西太.307 5、長嶋茂雄.305

 実働期間26年の野村克也が安打、本塁打、打点のトップだが、長嶋茂雄は17年の実働期間ながらすべて5位以内に入っている。きわめて中身の濃い現役生活だったと言えよう。

中日戦で同点の7回2死で左越えに勝ち越し3ランを放ち、試合後、笑顔でインタビューを受ける長嶋茂雄=1969(昭和44)年5月6日、後楽園(写真:共同通信社)

 右打者で2000本、400本塁打、1000打点、打率3割をマークしたのは、長嶋茂雄と落合博満だけだ。

 長嶋は屈指の右打者だったと言ってよいだろう。