トランプ関税、中国の勝算は?
関税戦争による経済的打撃は、米中双方とも小さくない。だから常識的な人たちは、いずれ米中も妥協点を探る交渉に入るだろうと期待していた。そうした楽観論を習近平はあえて破壊しようとする意図は何なのか。
多くのチャイナウォッチャーたちは、中国が米国に対して決して妥協しない決意を世界に向けて発信したのだ、と思った。そして一部の人は、おそらく習近平には勝算があるからこそ、ここまで強気になれるのだ、と考えた。
では中国に勝算があるのか。
中国外交部がこの動画を発表する直前、米財務長官のスコット・ベセントは米CNBCテレビのインタビューで、「米中貿易の緊張状態を緩和する責任は中国政府側にある」「中国は、我々が中国に売る5倍を我々に売っている」と発言していた。つまり米国経済の方が中国依存度が高い、だからこうした関税戦争は持続不可能、と米財務省トップが認めているわけだ。
なので、一部のエコノミストは、米中関税戦争でより大きな打撃を受けるのは米国の方だ、なぜならメイド・イン・チャイナがなければ米国人は生活できない、と考えている。
だが、もう一つ別の見方がある。人気華人YouTuberの文昭が以下のような解説をしていた。
結論から言えば米国人の暮らしは、さほど中国に依存していない。