「新卒一括採用廃止」は極端な事例?

藤井:職種別採用で「ある特定の職種の応募は増えても、企業全体として応募はそれほど増えていない」という話も聞いています。職種別採用をしている企業にもいろいろあって、初期配属は職種別でも、その後は適性を見て異動させるという会社もあります。

——富士通のように新卒一括採用を廃止するという企業も出てきています。

配属ガチャに当たるか、外れるか(写真:Trickster/イメージマート)

藤井:富士通の例は思い切った極端な例で、多くの企業は新卒一括採用を続けるのではないでしょうか。入社した人材の教育を同時に行ったり、各年度の事業計画に応じた人材配置や人事異動がやりやすかったりといった観点から、新卒一括採用は効率的だからです。

——転勤の有無によって給料に差をつけるなど、新卒採用のバリエーションは広がっています。

藤井:今までは、転勤する可能性がある総合職などでは、転勤の可能性を見込んだ給与額が設定されていました。しかし実際には、部署によって転勤が多い人とそうでもない人がいます。新卒だけの話ではありませんが、そういった背景から、実際に転勤した際に、それに伴う経済的負担を会社側が補うといったやり方に変わってきている動きがあります。