2040年問題がより深刻化

 2025年時点で就職氷河期世代は43〜55歳になりました。10年後の2035年には65歳の高齢者に到達。「無策のまま放置されてきた」と言われるこの世代が。いよいよ高齢人口の構成員となっていくのです。彼らが老後を迎えた際、介護負担や低い年金額、生活保護世帯の増大といった問題が大きくクローズアップされていくことは間違いありません。

 日本では、かねてから「2040年問題」が将来の大きな課題とされてきました。高齢化と人口減少が進む結果、①社会保障費の増大、②労働力不足、③公共サービスの量的・質的な低下、④地方のさらなる過疎化、などがこの年に顕著に表面化する、というものです。そうした問題に、就職氷河期世代の問題が重なり合っているわけです。

 2040年まで、あと15年になりました。

フロントラインプレス
「誰も知らない世界を 誰もが知る世界に」を掲げる取材記者グループ(代表=高田昌幸・東京都市大学メディア情報学部教授)。2019年に合同会社を設立し、正式に発足。調査報道や手触り感のあるルポを軸に、新しいかたちでニュースを世に送り出す。取材記者や写真家、研究者ら約30人が参加。調査報道については主に「スローニュース」で、ルポや深掘り記事は主に「Yahoo!ニュース オリジナル特集」で発表。その他、東洋経済オンラインなど国内主要メディアでも記事を発表している。