就職氷河期世代の特徴とは
就職氷河期世代は種々の困難に直面しながら人生を送ってきました。その特徴をまとめると、以下のようになりますが、影響は個人の生き方にとどまらず、社会全体に大きな影響を及ぼしています。
・就職活動で挫折が連続し、自己肯定感が極めて低い
・本人の希望しない不本意就労の形で、非正規雇用を転々とする
・非正規雇用の経験しかないため、職務のスキルが身についていない
・自らより若い世代の方が賃金の高いケースが少なくない
・職を失うことを恐れ、パワハラやセクハラにも沈黙する
・就業を諦めて無業者となり、引きこもりやニートになる
就職氷河期世代の問題は「世代間格差」となって現れることも少なくありません。その1つが賃金です。厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2024年)によると、一般労働者の所定内給与は平均で月額33万200円でした。コロナ禍前の2019年と比較すると、2万4200円(7.9%)増えています。
ところが年代別に見ると、格差が歴然となるのです。20〜29歳はおおむね10%程度、30〜39歳は8%程度の伸びでした。しかし、氷河期世代の40代後半は6.9%、50代前半は2.9%しかありません。それより上の世代の伸び率は2桁か2桁近くなっており、この世代の低迷が際立ちます。
近年は人手不足が強まったため、賃金が上昇傾向にあります。連合の集計では、今年の春闘の賃上げ率は前年を上回る5.42%(4月3日現在)。大手企業のなかには大卒の初任給を30万円超とする企業も多くなってきました。その結果、就職氷河期世代の収入よりも新人社員の方が高賃金というケースも出ています。