
売り上げと利益の最大化には「ブランド力」が欠かせない。ドイツのフェイラー、米国のエディー・バウアー、フランスのロクシタンなどの市場戦略を手がけた野本明氏がブランド創出の極意を数式を用いて解説する。(野本明:経営コンサルタント)
※この記事は、『利益を出すために重要な24の数式』(日本能率協会マネジメントセンター)から一部抜粋・編集しました。
ブランドの本質は創業者の世界観
私はいくつものブランド企業に従事し、ブランド力で利益を拡大することを目指してきました。そこで常に考えていたのは、顧客や社員はなぜブランドを好きになりなぜそのブランドを選ぶのか、ということです。
「流行だから」「ロゴやCM や店舗がかっこいいから」という理由はあります。でも、流行は移り変わり、ロゴも変わります。その裏にもっと何かありそうです。それが、創業者の魂とも言える世界観の存在だったのです。
支持されるブランドの創業者の多くには「世の人々にこれを与えたい」という強い願望と、それを実現するための尋常ならざる努力があるものです。それが創業者の世界観です。
よく知られたところではシャネルの創業者ガブリエル(ココ)・シャネルやアップルの創業者スティーブ・ジョブズの名が挙げられますし、ディズニー創業者のウォルト・ディズニーも然りです。
私の在籍したブランドでも創業者の逸話には事欠かず、それが伝説となり社員の尊敬の対象になっていました。この実体験を通じて、ブランドの本質は「創業者の世界観」にあると確信するに至りました。