導入する車両は、英ジャガーランドローバー(Jaguar Land Rover、JLR)グループの高級車ブランド「ジャガー(Jaguar)」の電気自動車(EV)「I-PACE(アイ・ペース)」である。この車両には、ウェイモの自動運転システム「Waymo Driver」が搭載される。

 シリコンバレーは、交通量が非常に多く、道路状況も複雑であるため、自動運転技術の検証には高度な技術と慎重な対応が求められると言われている。

 「シリコンバレーで完全自動運転の配車サービスを開始することは、ベイエリアでの当社の取り組みにおいて特別な節目となる」と最高プロダクト責任者(CPO)のサスワット・パニグラヒ氏は述べた。「ここはウェイモが始まった場所であり、当社の本社がある場所でもある」(同)。

Waymo One、3都市で週20万件超

 ウェイモは2025年3月、米配車サービス大手のウーバーテクノロジーズと共同ブランドのロボタクシーサービスを米南部テキサス州のオースティンで始めた。同月25日には、2026年に米首都ワシントンでサービスを開始すると発表した(ウェイモの発表資料)。

 ウェイモは既に、カリフォルニア州ロサンゼルスと、同じく米西部のアリゾナ州フェニックスでサービスを展開しており、これら、ロサンゼルス、サンフランシスコ、フェニックスの3都市での利用件数は1週当たり計20万件超に達した。

 自動運転技術の競争は激化しており、米テスラやアマゾン傘下の米ズークス(Zoox)などの企業も開発を進めている。だが、ウェイモは既に商用サービスを始めており、実績もある。同社はロボタクシー市場で単独トップを走る。

 持ち株会社の米アルファベットはウェイモ事業の業績を開示していないが、同事業はロボット開発など中長期での事業化を見据えた「アザーベッツ(その他部門)」として区分・管理している。

 同部門の2024年10〜12月期の売上高は、前年同期比39%減の4億ドル(590億円)だった。営業損益は11億7400万ドル(1740億円)の赤字で、赤字幅は前年同期の8億6300万ドル(約1280億円)から拡大した(アルファベットの決算資料)。