
米調査会社のIDCはこのほど、世界のスマートフォン出荷台数が2025年に前年比2.3%増の12億6000万台に達するとの予測を発表した。2年連続でプラス成長を実現するとみている。
世界スマホ出荷台数は2年間の急激な減少の後、2024年にプラス成長に転じた。その主な要因は、新興国市場と中国で低価格モデルが急速に普及したことにあった。2025年における市場成長の主な原動力は、米グーグルのモバイルOS「Android(アンドロイド)」を搭載する端末の中国と米国における需要拡大だという。
中国政府の補助金政策がAndroid端末後押し
中国では政府による補助金政策が消費者の買い控え心理を解消した。米国では端末を買い替える動きが顕著になっている。
IDCのシニアリサーチディレクター、ナビラ・ポパル氏は「Androidは2025年、米アップルのiOS(iPhone)よりも速い成長を遂げる見込みで、特に中国では補助金プログラムが販売を強力に後押しする」と分析。IDCによると、2025年におけるAndroid端末の世界出荷台数は前年比2.5%増になる見通しで、中国では5.6%増が期待される。「補助金プログラムはiPhoneではなく、Androidに恩恵をもたらす」(同)という。
iPhoneは米国で好調 金額ベースのシェア45%
他方、iPhoneは中国市場で1.9%の減少が見込まれるものの、世界全体では1.8%増加すると予測する。その要因はアップルにとって最大の市場である米国だ。米国では18%増と力強い成長を達成し、インドやインドネシアなどの新興国市場でも9%増と好調に推移するという。