水原一平から早や1年

 南部テキサス州ガルベストンの地方紙、「デイリー・ニュース」はこう報じている。

 日本のメディアからは完全に抹殺された「記憶」をあえて思い出させる水原一平服役囚を引っ張り出したAP通信の記事を転載している。

「東京シリーズは、いわば世界中で最も愛されているアスリート、二刀流の大谷翔平のための祝典である」

「ちょうど1年前には、大谷のキャリアは一時的にだが危機に瀕していた。そのことを皆、けろっと忘れてしまった」

「大谷の通訳であり親しい友人でもあった水原一平はギャンブルに使ったカネを返すために大谷の銀行口座から1700万ドルをかすめ取り、禁固刑56か月の有罪判決を受け、現在連邦刑務所(カリフォルニア州サンタアナのビクタービル連邦矯正総合施設)に服役している」

「大谷は一切やましいことをしていなかったが、事件発生直後は大谷のクリーンな評判を汚しかねないニュースだった」

「ドジャース移籍後、手術を受けて、リハビリ中にもかかわらず、大谷はホームラン54本、盗塁59と驚くべき記録を残し、3度目のMVPに輝き、ドジャースがワールドチャンピオンなるために貢献した」

「大リーグの7年を振り返り、大谷には限界があると考えることすら愚かしいことはない」

One year after interpreter's scandal, Shohei Ohtani enters the Tokyo Series with newfound maturity | AP News

大谷の里帰りはまさに「花魁道中」

 余談だが、米国では日本のテレビ番組は、「Jme TV」で同時に見られる。長年日本に住んでいた米ジャーナリストB氏は、NHKの大河ドラマ『べらぼう』を楽しんでいる。

 そのB氏は、大谷凱旋とその狂騒ぶりについてこうコメントしている。

「何やらテレビで観ている山本(由伸)、佐々木(朗希)を従えたスーパースター大谷の『花魁道中』のようだね。東京ドームはまさに吉原といったところだ」

「ロサンゼルス・タイムズが連日、大谷、山本、佐々木の写真をでかでかと載せて、まさにドジャースの機関紙だ」

「しかし、ここまで徹底した日本人選手一色の報道をアンチドジャースや野球に関心のない読者はどう思っているのだろう。バックラッシュは起きないだろうか」