14.6兆円不足、財源はどこに

 岸田政権が2022年末に閣議決定した内容は、防衛力を整備するため、2023〜2027年度の5年間の防衛費を総額で43兆円にするという内容でした。それまでの5年間の1.5倍という巨費で、これを実現させようとすると、14.6兆円の不足が生じます。

(図:フロントラインプレス作成)

 では、その財源をどこに求めるのでしょうか。

 岸田政権は、国有財産の売却や特別会計の剰余金などの税外収入で4.6兆~5兆円、決算剰余金の活用で3.5兆円、歳出改革で3兆円を捻出するなどとしましたが、それでも1兆円ほどが不足するとの見積もりを示しました。

「防衛増税」とは、その1兆円の不足を増税で確保しようという政策です。増税の対象は、法人税と所得税、それにたばこ税という3税です。

 具体的には、法人税の増税は2026年4月から実施されます。その増税は「防衛特別法人税」として、法人税額から500万円を差し引いた額に4%を上乗せする方式で行われます。

 たばこ税については2026年4月から加熱式たばこの税率を引き上げ、紙巻きたばことの税負担の差を解消。そのうえで、たばこ全体の税率を2027年4月、2028年4月、2029年4月の3段階で1本当たり0.5円ずつ上げることにしています。