会見開始直前に撮影した「ジムニー ノマド」。フロントグリルは加飾がジムニー シエラとは若干異なるデザイン(写真:筆者撮影)

スズキ「ジムニー」3ドア車の現行モデル発売から早くも6年半が経過し、ついに日本でも5ドア車が発売された。モデル名称は「ジムニー ノマド」。ジムニー史上、5ドア車は量産車では初となる。あまりの人気に3日には早くも受注を一時停止。月1200台の目標販売台数に対し約5万件の注文があったという。ジムニーノマドはどんなクルマなのか。スズキが1月30日に都内で実施した発表記者会見に参加しスズキ関係者から詳しい話を聞いた。

(桃田 健史:自動車ジャーナリスト)

 やはり、自動車メディアの注目度は高かった。

 発表会前に事前撮影会が開催されているため、ジムニー ノマドの姿をすでに見ていたメディア関係者もいるのだが、それでも記者発表会の現場の熱量はかなり大きかった。

 なぜならば、ジムニーシリーズに対してユーザーの関心は高く、アフターマーケット関連の製品も良く売れているからだ。現行モデルが2018年に登場した後、東京オートサロンでも多種多様なカスタマイズモデルが登場している。

 5ドアモデルについては、インドで2023年1月にジムニー5ドア車は発表されており、その後はインドを拠点に世界100カ国に輸出されてきた。

都内で実施された報道記者発表会で登壇する、鈴木敏宏社長(写真:筆者撮影)

 そのため、左ハンドル仕様を海外から並行輸入したカスタマイズ業者が、組み込み式ルーフテント装着車などを国内で展示した際にも、その周りには多くのジムニーファンが集まっていた。

 そんな5ドアモデルをスズキは、日本では「ジムニーノマド」と名付けた。

 ノマドとはフランス語で遊牧民を指す。近年は、車中泊を続けながら生活する人をノマドと称する場合もある。

 スズキの「ノマド」では、過去には「エスクード ノマド」というモデルがある。会見で鈴木敏宏社長は「(ノマドと名付けたのは)私からの提案だ。エスクードはコンパクトSUVの世界を切り開いたクルマだから」と自身の思いを語った。

 なお、日本でのジムニーシリーズは、排気量660ccの軽自動車「ジムニー」と、排気量1.5Lで白ナンバーの登録車「ジムニーシエラ」の2タイプが発売されており、今回のジムニー ノマドを含めて3タイプとなる。スズキは、軽自動車の車両規定を踏まえると、ジムニーらしいデザインやパッケージングで多様なモデルを軽自動車のカテゴリーで展開していくことは難しいと考えている。そのため、ノマドも軽自動車ではなく白ナンバーだ。

 では、ジムニー ノマドの実車を確認してみよう。