トランプ台風、いつまで続くか
今週20日正午(アメリカ東部時間)に就任したドナルド・トランプ大統領の旋風が吹き荒れている。3.4億アメリカ人ばかりか、地球上に住む82億人の人類全体が、一人の大統領に振り回されている。きっと後世の人たちは、「2025年は特異な年だった」と、興味深く振り返ることだろう。
問題は、いつまで「トランプ台風」が吹き荒れるかだ。結論を先に言えば、私はそれほど長くは続かないと思う。せいぜい半年か、1年くらいではないか。
彼はまるで、マラソンを100m走のように走っているように映る。これでは、遠からず息切れしてしまうに違いない。
古今東西を問わず、政治の世界では「絶頂の時は凋落の始まり」と言う。2022年2月にウクライナ侵攻を始めた時のウラジーミル・プーチン大統領や、2023年3月に強引に3期目の政権を発足させた習近平主席にも、似たような心象を持った。
もちろん、トランプ大統領の「スタートダッシュ」には喜ばしい点もあって、19日にイスラエル・ハマスの停戦が成ったのに続き、遠からずウクライナ戦争も停戦するだろう。停戦の仕方は、必ずしもウクライナに望ましい形にはならないかもしれないが、ともあれ世界が平和になるのは吉事だ。
だが、戦争終結を除けば、アメリカ国内および世界の混乱は増える一方だ。私が「トランプ大統領が息切れする」と予測する根拠は、次の3方面からである。