海外の日本アニメ市場が10年で6倍に
ダイナミックな動きの裏には、日本のアニメビジネス拡大の勢いが衰えをみせないことにある。世界における日本アニメの市場は2013年に1兆4769億円だったが、2023年には3兆3465億円に拡大。特に海外での伸びが著しく、2023年の海外における日本アニメの市場は1兆7222億円と10年間で6倍になった。各社の積極的な事業拡張は成長市場の陣取り合戦の様相を呈している。
アニメを作るのにこれまでより多くの資金が必要になってきている事情も影響している。
十数年前ならテレビシリーズ30分1話の予算はおおむね1000万円台で、2000万円を超えるとかなり潤沢な予算だった。ところが現在は少なくても2500万円ほど、可能であれば5000万円、超話題作になると1億円といった声すら聞こえてくる。こうなると週1回の放送で、3カ月(1クール)約13話で10億円以上の予算が必要になる。
複数企業で製作委員会を組んでリスク分散するにしても、この予算規模の大型タイトルをいくつも同時に回せる企業は限られる。結果として、ビックネームのタイトルは大手企業に集中していく。
それがソニーグループや、玩具業界で時価総額世界最大のバンダイナムコHD、国内大手映画会社の東宝などである。2025年も、これらの企業が軸となりアニメ業界は大きな動きをみせそうだ。
そして、成長する産業にはビジネスチャンスを求めて、新規参入企業も相次ぐのが常だ。競争は激化するが、そこから新たなビジネスプレイヤーも現れ業界の変革を促す。2025年は大手企業と同時に新しいプレイヤーも注目される。
では実際に存在感を増す企業は、どこだろうか?