ドル独歩高が2025年も続く可能性は?
円固有の弱さが続く一方、特筆したいのはドル固有の強さが続く可能性だ。
上述したFRBに関する「穏当なリスクシナリオ」や「極端なリスクシナリオ」は論者によってはメインシナリオに持ってきても不思議ではない論点である。
過去3年間のドル相場を振り返れば、2023年の横ばいを除くと、基本的にドル高相場が続いた。焦点は、ドル高相場が2025年も続伸することがあり得るのかという点だが、その可能性は高いように思える。
端的に第二次トランプ政権のポリシーミックスがインフレ誘発的であるという事実も大きいが、そもそも米国経済の地力が強いという事実が無視できない。
現状、米国の労働生産性の伸びは先進国において頭一つ抜け出ている(図表②)。この高い労働生産性の伸びと整合的に潜在成長率、ひいては中立金利の水準も高いと考えるべきだ。それは、各国通貨の対米金利差が拡大しやすいという未来を示唆する。
【図表②】