事故る美容整形になり得る3つの課題

 瀬戸さんに会ったのは12月11日で、合併症発生から2週間余りが経過し、あごの周りの血腫は消退していた。

「見た目は改善しましたが、まだあごの周りがたんこぶのようになっていて、口もうまく開けられないんですよ」と瀬戸さんは最初に話した。確かにあごの下からほおにかけて腫れ上がった状態に見える。

瀬戸さんの顎回りはまだ腫れが目立っていた。(写真:星良孝)瀬戸さんのあご周りはまだ腫れが目立っていた。(写真:星良孝)

 そもそも瀬戸さんが美容医療を利用し始めたのはここ2年ほどのことだ。顔をリフトアップする糸リフト、下まぶたのたるみを解消する手術、小鼻の整形、注射を使った施術を受けていた。

 これまでの美容医療には満足していた。今回の合併症を起こす数カ月前の写真を見ると、12月に顔が腫れた状態と比べると、印象が全く異なっている。確かに、合併症によって顔が大きく腫れたのだ。

施術前の瀬戸さん。顎の周りはすっきりして見える。(写真提供:瀬戸さん)施術前の瀬戸さん。あごの周りはすっきりして見える。(写真提供:瀬戸さん)

 それが美容医療の合併症で見た目が好ましくない形になったのはつらいことだろう。瀬戸さんは「誰にでも起こり得ること。これをきっかけに、リスクへの理解や緊急時の体制整備が進むことを願っている」と詳細を話してくれた。

 瀬戸さんの話から、合併症の発生、あるいは悪化を防ぐという面から見て、以下の3つの課題が考えられる。

・契約から即日施術
・副作用の判断の難しさ
・緊急連絡先がない

 
 順に見ていく。