献金が可視的になる年末の風物詩

 業界団体の献金が組織的に最も可視的になるのは年末、特に自民党税調においてである。各業界の要望を受けた役所が自民党議員に「御発言要領」のメモを持って回る。これを棒読みではなく、如何に自分の言葉で説得的に発言するかが族議員の登竜門となる。当然、各業界団体は議員のパーティ券の購入先でもある。

 つい先日、自民党税調が来年度の税制改正大綱を決定した。それに基づき予算の政府原案を作る。最後に大臣折衝をやり、各大臣にも花を持たせる。昔からの慣行。少数与党であることを忘れたかのような財務省シナリオによる年末のルーティンワークだ。

 来年度予算案は、補正予算のように見切り発車で国民民主、維新、立憲をそれぞれ天秤にかけながら、新年を迎えることになろう。

 補正予算は30年ぶりの「予算総則」の修正で委員長を取っている立憲に花を持たせ、「178万円を目指す」紙で国民民主を釣った。紙は簡単に破れるものだ。教育無償化の協議機関を作る「口約束」で維新が賛成に回ったのは、飛んで火にいる何とやら。6000億円程度で済む。「予定調和」を仕掛ける黒子がいるのは歴然だが、国民から見ると、つまらない茶番劇のようだ。

 国民の間には、「沢山集めて沢山配る」ための財源以前に、知らず知らずにこんなに取られて国民負担率が上がり、物価高で可処分所得が減り続けることに強い危機感が芽生えている。

 多くの国民が、最低限生きんがための基礎控除を引き上げれば「手取りが増える」ことを理解した。会社が一括してやるから従業員は知らなくていい。そのような自動徴税システムに安住して選挙結果を鑑みない体制に、一揆のような猛反発が出てくるのは歴然。

 ハングパーラメント(宙吊り国会)を活性化するには、歌舞伎やサーカスのように道化方やピエロが不可欠の存在となる。

 国民民主党は一見、玉木雄一郎氏が王(代表)、道化(不倫)、偽王(職務停止)の1人3役をやっていたように見える。しかし、同党には榛葉賀津也幹事長という正真正銘の道化役がいて、狂言回しのような彼の発信力は並外れて高いことが分かる。茶番国会が続くと国民民主の支持率はもっと上がっていくだろう。

 アメリカでは追放され復活したトランプ劇場2.0がすでに始まっている。「ディープステート」解体・不都合な真実の暴露などを、トランプ政権は次々と実行に移す。王権・道化・贖罪山羊など劇場効果満載で、ポップコーン片手に大衆はトランプ劇を見守っている。

 最後に、冒頭のTVタックルでカットされたエピソードをもう一つ。