築30年超のマンションでも新耐震基準で施工された物件が多い

 経過年数の長い“築深マンション”になると、住宅の耐久性に不安が残り、居住性能も悪くなっているのではないかと不安になるかもしれないが、最近は築深マンションでも品質が低下しにくくなっている。

 何より心配されるのは、築年数が長くなると、耐震性が弱いのではないかという点だが、新耐震基準が施行されたのは1981年なので、築30年超でも、築40年前後までは新耐震基準のもとで建設されていることになる。

 新耐震基準というのは、「震度5強程度の中規模地震では軽微な損傷、震度6強から7に達する程度の大規模地震でも倒壊は免れる」ことが条件となっているため、まずは安心だ。新耐震基準施行前に建設されたマンションの中にも、新耐震基準以上の耐震性能で建てられているマンションが少なくない。

 また、築深マンションの中には、建築後に耐震補強しているマンションもあり、むしろ安全性が向上している物件も多い。

 居住性能に関しても、最近はリフォーム技術が進化しているので、購入後にリフォームすれば、最新の新築マンションに近いレベルを確保できるようになっている。

 とはいえ、住宅としての性能については、建築知識の乏しい素人では見極めは簡単ではないので、まずは実際に複数の物件を見て、選択眼を養うようにしたい。マイホームの購入は今後の暮らしを左右する大きな買い物なのだから、それぐらいの努力はしたいところだ。