旧NISAの運用資産、売るべきか否か

 そもそもE男さんは、2023年末に非課税期間が終了するということをすっかり忘れていました。

 通常、旧NISAの非課税期間が終了すると、課税口座に自動的に移管されます。もしも旧NISAで資産を保有していることを忘れていても、金融機関は、毎年9月から10月ごろに、旧NISAの非課税保有期間が終わる資産の保有者に「非課税期間満了のお知らせ」といった案内をメールや郵便などで送ってくれます。ですから、案内が来たら自分の資産をどうするのか検討するようにしましょう。

旧NISAで失敗しないために(写真:beeboys/Shutterstock.com)

 E男さんのところにも案内は届いていたはずですが、忙しくて見ていなかったようです・・・。

 では、旧NISAの資産はどうするのが良いのでしょうか?
 
 旧NISAの資産を新NISAにそのまま移すことができればよいのですが、新NISAに移管する制度はありません。旧NISAで運用している(運用していた)資産を売却して、その売却資金を原資に新NISAで投資することはできます。

 新NISAでは、旧NISAよりも投資枠が大幅に拡大になり、非課税期間も無期限になりました。ですから、投資枠が余っているならば、旧NISAの非課税保有期間が終わる前に売却し、新NISAで新たに投資するのがベターでしょう。

 ただし、NISAでは、損益通算、繰越控除をすることができません。保有している金融商品の収益の状況を見て、あえて非課税期間終了後に課税口座に移管して他の金融商品と損益通算をするという方法もあります。

 他には、「受渡日」にも注意が必要です。非課税期間中に売却する場合、非課税期間が終了する年末までに受け渡しが完了する必要があります。

 2020年に旧NISAで投資した資産は、2024年末に非課税期間が終了になりますが、非課税期間中に売却する場合、国内株式は2024年12月26日(木)15時30分まで、米国株式は2024年12月25日(水)日本時間午前3時まで、投資信託はファンドにより異なります。

 商品によっては、取引から受け渡しまでの日数が異なるため、金融機関に確認して早めに手続きをするようにしましょう。
 
 参考までにジュニアNISAについても触れておきましょう。