尹大統領は戒厳令のもう一つの理由として「不正選挙疑惑」を挙げた。そして、「選管(中央選挙管理委員会)は憲法機関であり、司法府関係者の組織(委員は判事の中から任命する)であるため、調査が容易ではなく、戒厳令で選管のサーバーを調査しようとした」と述べた。

 最後に尹大統領は、「12月3日の非常戒厳令は内乱罪に該当しない」と強調した。

 むしろ「共に民主党の李在明代表の有罪宣告が近づくと、これを回避して大統領を弾劾し早期大統領選挙を行うため」に自分に内乱罪をかぶせて弾劾を急いでいると主張し、「弾劾であれ捜査であれ堂々と立ち向かう」と強調した。

一部の与党議員、「今度は弾劾に賛成」と表明

 尹大統領は談話直後、大統領の職務にも復帰、42件の国務会議案件を裁可したという。尹大統領は7日の談話を通じて、「私の任期を含め今後の政局安定方案を党に一任する」として任務を中断する考えを明らかにしたが、再び大統領としての権限を行使するという意志をあらわしたのだ。

 尹大統領の談話が保守支持層の「結集」には役立ったかもしれないが、14日に予定される弾劾案の国会通過の可能性を高めたのは確実だ。国民の力の内部では、韓東勲系を中心に激しい非難が出ている。

 韓東勲国民の力代表は記者団とのインタービューで、「このような談話が出るとは全く予想できなかった。尹大統領が大統領職を遂行できないという点がさらに明確になったと思う」と述べ、弾劾賛成の意思を強く表した。

12月12日、尹錫悦大統領の弾劾について会見する「国民の力」の韓東勲代表(写真:YONHAP NEWS/アフロ)
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