赤染衛門の新たな挑戦、『栄花物語』誕生へ
一方で、頼通と同じく親からバトンタッチされたのが、まひろ〈紫式部〉の娘・賢子(かたこ)である。
賢子が「宮仕えをしたい」と言い出したので、式部は彰子のもとに出仕させることにした。
実際の式部は『紫式部日記』の中で、女房のあるべき姿について筆を振るっており、娘の賢子に向けて書いたのではないかとも言われている。式部が賢子をどんなふうにバックアップするのかにも注目したい。
そして、もう一人、大仕事に直面することになったのが、歌人の赤染衛門(あかぞめえもん)である。
ドラマでは、道長の妻・倫子から「殿の華やかな生涯を書いてほしい」と依頼され、「まことに私でよろしいのでございましょうか?」と驚きながらも引き受けている。これが歴史物語『栄花物語』の誕生につながるというストーリー展開となった。
だが、ドラマでは実は倫子はまず式部に同じ依頼をして断られている。そんな経緯は少しも感じさせることなく「衛門がいいのよ」と言って赤染衛門を感激させた。
その手腕にSNSでは「理想の編集者」という声も上がった。赤染衛門がどう物語をつづるのかも楽しみである。