花の2区はどっちが走る!?
最後の箱根駅伝を迎えることになる梅崎と石田。ともに花の2区を経験しているが、ふたりは何区を走りたいのか。
「山は苦手なので、それ以外だったら、どこでも走れるかなと思っています。任された区間をしっかり走りたい」と梅崎が言えば、石田も「5区と6区以外なら(笑)。2区に対して複雑な思いはあるんですけど、理想は往路を走りたいなと思います」と話した。
面白いことに、ふたりとも「2区をやりたい!」という言葉は出なかった。そこでもう少し突っ込んでみると、「できれば梅崎に任せたいですね(笑)」という石田の声を聞いた梅崎は、「区間にこだわりはないので、任されたらしっかり走りたい」と頼もしかった。
「2区はプレッシャーがかかるんですけど、梅崎はいい意味であまり感じない。表に出さないタイプ」と酒井監督は梅崎に絶大な信頼を寄せている。3区は2年連続で好走している小林亮太(4年)が希望していることを考えると、石田は1区もしくは4区の起用になるのだろうか。区間配置について、酒井監督はこう話していた。
「コースの特性と本人の状態。それに他選手の組み合わせ。あとは他大学の動きも考えないといけません。往路は速い展開になりますが、復路での巻き返しはなかなか難しいので、調子の良い選手を往路に使っていこうかなと考えています。1年生は故障もあったんですけど、無理に全日本に起用してしまうと箱根の練習や選考に影響します。山区間の候補もいますし、箱根に向けた練習で見極めたいなと思っています」
出雲と全日本では合計13人の選手が出走。その後の上尾シティハーフマラソンや小江戸川越ハーフマラソンで結果を残した選手もいる。正月決戦に向けて、本格的な練習に入っていくなかで、最上級生たちは熱い思いを抱いている。
「状態を考えると総合優勝を目指すのは厳しいですけど、最後まであきらめなければ何が起こるかわかりません。自分は前回よりも良い走りが求められると思うので、しっかりと自分の走りをしてチームに勢いをつけて、後悔のないように終わりたい。上位進出を目指して、頑張っていきたいです」(梅崎)
「箱根駅伝は小さい頃からの憧れの大会ですし、出雲と全日本が惨敗に終わってしまった分、箱根だけは譲れないという執着心を持っています。同時に、歴代の先輩方がつないでくださった東洋の伝統を自分たちが引き継ぎ、後輩に託すという意味でも最後は4年生としての使命を全うしたい。悔いのない走りができれば、大学4年間の競技人生はすごく意味のあるものになると思うので、とにかくやり切って、箱根に向かいたいです」(石田)
箱根駅伝の“主役”を目指す東洋大にとって“試練の1カ月”が始まった。