マスクは中国にとっての「安全弁」

 外交・安全保障の主要ポストに反中派のルビオ氏とウォルツ氏が選任される見通しとなったことで、トランプ政権2期目においても米中関係が再び緊張するとの観測が出ている。

 だが、その一方で、入閣はしないものの、マスク氏に連邦予算の削減、許認可見直しでの絶対権限を持つ「政府活動能率化最高責任者」のポストを与える方針のようだ。

 自らのビジネスを賭けた親中派のマスク氏が中国に対する関税率引き上げやAI規制問題が顕在化すれば、横やりを入れてくるのは必至。

 トランプ氏の耳元でいろいろと囁くだろう。中国にとっては投資しておいた「安全弁」だ。

 ルビオ氏やウォルツ氏が対中強硬策をトランプ氏に進言すれば、政権内に摩擦が生じ、対立を呼ぶ。

 その時、トランプ氏はどう対処するのか。米中関係が緊張する前にトランプ政権内部に摩擦を生じることにならないだろうか。

thespectator.com/china-source-coming-donald-trump-elon-musk-rift/