国会議員が持つ3つの特権
選挙に落ちた国会議員が「タダの人」だとすれば、議員在職中は一般人には持てない“特権”を有していることになります。では、国会議員ならではの権利には、どのようなものがあるのでしょうか。
1つ目は「不逮捕特権」で、日本国憲法第50条に定めがあります。国会議員は国会の会期中は逮捕されず、国会前に逮捕された場合でもその議員が所属する議院の要求があれば釈放しなければなりません。不逮捕特権は、国家権力が反対派議員を逮捕して国会から排除したり、議員の職務を妨げたりすることのないよう、「議会の独立・自律」を保障するためのものです。
2つ目は「免責特権」、あるいは「院外免責特権」と呼ばれるもので、憲法51条に規定があります。国会議員は、国会内で行った演説や討論、表決について、名誉毀損などの責任を問われません。これは、国会議員による自由な言論や国会活動を保障するためのもの。民主政治の根本は言論の自由です。したがって、免責特権は不逮捕特権と一体となり、国会議員が外部から妨害されずに審議することを保障しているのです。
最後の3つ目は「歳費特権」です。国会議員の給料は「歳費」と呼ばれ、国庫から支給されます。歳費の額は一般職の国家公務員の最高給与額より少なくない金額とされています。その他にもさまざまな名目で資金やそれに類するサービスが支給・提供されています。
近年、議論になっている特権とは、この歳費特権を軸にした“国会議員の待遇”に関するものが大半ですが、国会議員は本当にそんなに恵まれているのでしょうか。見ていきましょう。