この小部隊による攻撃には大きな犠牲を伴なっている。
NATO(北大西洋条約機構)のマーク・ルッテ事務総長は、「戦争の始まりから60万人以上のロシア兵が死亡または負傷した」と述べている。
ロシア軍は現在毎月2.5万人から3万人の兵員を確保してるが、その確保が難しくなっている。
動員を回避するために志願兵のボーナスを大幅に増加しており、一説によると一時金300万円を志願兵に支給しているという。
だが、ロシアの資源は有限であり、これらのコストを無限に賄うことはできないだろう。そのために、北朝鮮の約1万人の兵士が必要なのだ。
ウクライナの問題
今年の4月まで、ウクライナ軍は、米国下院の支援承認の遅れにより弾薬供給の不足に苦しんでいた。
4月に米議会が追加支援を承認した後も、ウクライナの当局者は武器の供給が遅すぎると不満をもらし、前線への補給が困難になっていると述べていた。
米軍関係者は、武器供給はもはやウクライナの主な不利な点ではないと言う。
ウクライナはロシアの火砲の優位性を大きく縮小し、ウクライナの兵士たちは自爆ドローンを使ってロシアの大量の装甲車を破壊している。
ウクライナの最大の欠点は現在、人的要素(兵士の数と訓練)だと言う。
ウクライナの当局者は、十分な兵士を集めるための徴兵制の導入に苦労している。政府は徴兵年齢を引き下げることを躊躇しているが、長期的な人口動態への影響を心配しているからだ。
その結果、兵士が不足している。
米国防総省は、「ウクライナにはあと6~12か月戦えるだけの兵士がいるが、その後は急激な不足が懸念される」と予想している。
ウクライナは、創設した新しい旅団の一部を当初予定していた東部および南部ウクライナの防衛や2025年の予想される反攻作戦に使用するのではなく、クルスクでの作戦を支援するために使ってしまった。
ウクライナ当局は、約3年にわたる戦争で疲弊した部隊を再編成することが難しくなっている。
米国の情報機関や軍の関係者は、ロシアの前進を食い止めるウクライナの能力に対して悲観的になっているという。
ロイド・オースティン米国防長官は、「戦争の流れをウクライナに有利に変える特効薬はない」と発言している。