「ここは日本だぞ」

 今季の日本シリーズはソフトバンクが2連勝した後、DeNAが10月31日の第5戦にも勝利して3連勝。レギュラーシーズン3位から26年ぶりの“下剋上”日本一へ王手をかけた。しかし、WS報道の影に隠れ、スポーツ紙の扱いも10月31日の紙面では5面以降の扱いにとどまった。

 4年ぶりの日本一を目指すソフトバンクの小久保裕紀監督は今回の日程にシリーズ前から危機感を抱いていた。

「皆さん(報道陣)にお願いしたいのは、ここは日本だぞということ」

 10月25日の会見で報道陣にこう呼びかけた。

「やっぱりワールドシリーズとかぶるので。朝はワールドシリーズで夜は日本シリーズ。それ(ファンやメディアの注目)に値するゲームをしないと、(メディアでの)扱いは大きくならない。そういう思いもあります」

10月31日、日本シリーズ第5戦で3ランを放ち、跳び上がって喜ぶDeNA牧秀悟選手。手前はソフトバンク前田純選手(写真:共同通信社)

 悪い予感は的中し、シリーズ開幕前からポストシーズンの“主役”はすっかりWSに奪われてしまった。

 駅やコンビニなどでの「即売」に影響するスポーツ紙の1面は、読者の関心を引くニュースという編集方針で決まる。大谷選手が出場しているWSが、日本のプロ野球よりも注目を集めているのが現状だろう。

 テレビの地上波にも“異変”が生じている。