9月19日のマーリンズ戦で50号2ランを放ち、メジャー史上初の「50本塁打、50盗塁」に到達した大谷翔平選手(写真:USAトゥデー・ロイター=共同)

今や日本だけでなく、世界の野球ファンを魅了する存在となったロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手。チームをワールドシリーズ出場に導く原動力となった。そのすごさの一つとして、メンタルの強さが挙げられることが多い。大谷選手を高校時代に指導したメンタルトレーナー西田一見氏は、「最強メンタル」を手に入れる秘訣を、『大谷翔平の成信力 私が高校時代に伝えた、夢が必ず実現する「脳活用術」』(清談社Publico)に記している。そのエッセンスを見ていこう。

(東野望:フリーライター)

大谷翔平の「最強メンタル」をつくった科学的メソッド

 大谷選手の活躍ぶりは、いまさら説明の必要はないだろう。そのパワーや技術はもちろん、鋼のようなメンタルは一般人とはそもそも違う世界の人のように思えてくる。

 しかし著者の西田氏によれば、大谷選手の強靭なメンタルは、生まれ持った素質やただの精神論だけで出来上がったのではなく、科学的なメンタルトレーニング法「SBT(スーパーブレイントレーニング)理論」によって裏付けられたものだという。

 多くのトップアスリートやビジネスパーソンを指導してきた経験を持つ西田氏は、科学的なメンタルトレーニングを取り入れることで、誰でも大谷選手のような「最強メンタル」を手に入れられると説いている。キーワードは「精神力」ならぬ「成信力(せいしんりょく)」。これを会得すると成功に導く脳をつくりだせるという。

「成信力」とは「自分はできる」と信じることで、最高のパフォーマンスを発揮できる状態をつくる力のことです。大谷選手は、まさに「成信力」を身につけることができたからこそ、今日の成功にいたったといっても過言ではありません。