また、ミラナはロリータ・ファッションを介していろんな友達もできたと喜んでいた。街を歩けばあなたとってもかわいいわね、と言われるのも楽しいのだそうだ。
ミラナが筆者を誘ってきたのは、テレグラムというラインのようなアプリにあるキーウのロリータ愛好家のグループで企画されたイベントだ。月に1、2回定期的に行われているらしい。夏は公園に集まってロリータ・ティーパーティーなどをして楽しんだとのことだ。
父親は娘の趣味を応援しているものの、ネットのオフ会に1人で参加することを少し心配しているようだった。私が一緒であれば安心だという気持ちが伝わってきた。
街角で声をかけてくる男性を冷たくシャットアウト
10月後半のキーウは少し冷え込む。今回はヴィクトリア・ミュージアムという近代の装身具などを展示している美術館を巡る、という内容だった。ロリータ・ファッションはヴィクトリア朝の服飾から着想を得ているというので彼女たちにピッタリであろう。
ただのロリータ・ファッションが好きなインスタグラマーではなく、ロリータ・ファッションをより深く楽しみ、学ぼうという姿勢を持っていることに驚いた。
当日最終的に集まったのは11人だった。人が集まるのを待っている間、通りすがりの人に何度も「かわいいね、一緒に写真とってもいい?」と声を掛けられる。感心したのは、女性に声をかけられた場合には写真にも応じるが、男性には冷たい態度ではっきりと拒否の姿勢を取ったことだった。
「男の人とは写真を撮ったりしちゃだめってご両親に言われているの?」と尋ねたが、特にそういうわけではないという。自分たちが嫌だから撮らないだけだそうだ。