ロシアは肉引き器に放り込む兵士を歓迎

　金はすでに何百万発の砲弾をロシアに届けており、これがプーチンの体制にウクライナとの砲撃戦での優位性を与えた。

　そして今度は北朝鮮の兵士が戦争に加わろうとしているようだ。

　西側の当初の見方は、北朝鮮兵がロシア領内で活動するかもしれないということだ。ロシア西部クルスク州の一部を制圧したウクライナ軍を相手に戦うか、単に支援役として活動するかだ。

　だが、西側の分析は一貫して、プーチン、金正恩双方の過激主義と攻撃性を甘く見てきた。このため、北朝鮮兵がウクライナ領内でロシアの攻撃作戦に加わらない保証はない。

　これまでに60万人以上のロシア兵が死傷したと考えられている戦争においては、1万人程度の北朝鮮特殊部隊の到来が形勢を変える見込みは薄い。

　だが、北朝鮮は130万人の現役軍人を擁し、軍の規模は世界第4位を誇る。

　こうした軍人の大多数は訓練も装備も不足している新兵だ。だが、プーチンは常に「ミートグラインダー（肉ひき器）」作戦のために大砲のえじきになる使い捨て兵士をいくらでも使える。